相続した自動車を「負債」にしないための知識:買取店が教えるリスクと売却方法
投稿日:2026/02/16
1.なぜ「とりあえず置いておく」が最大の失敗なのか
相続が発生した直後は、葬儀や法要、多岐にわたる相続手続きに追われ、「車のことは後回しでいいか」と考えがちです。しかし、買取店の立場から断言できるのは、「自動車の放置は1円の得にもならない」ということです。
1. 「時間」が査定額を大幅にさげてしまう
中古車市場には「型落ち」という概念があります。一般的に、自動車は1年経過するごとにその価値を大きく下げます。特に、新型モデルが発表されたり、マイナーチェンジが行われたりすると、旧型となった車両の相場は暴落する場合もあります(5年落ち、7年落ち、10年落ち)。
「来年落ち着いてから売ろう」という決断が、結果として数十万円の損失を招くことは珍しくありません。
2. 物理的な劣化:車は「走らせない」のが一番痛む
意外に知られていないのが、放置によるコンディションの悪化です。
- バッテリーの完全放電: 1〜2ヶ月放置するだけでバッテリーは上がり、完全に放電すると交換が必要になります。
- タイヤの変形(フラットスポット): 同じ位置で重い車体を支え続けると、タイヤが変形し、走行時に異常振動が発生するようになります。
- オイルの酸化と固着: エンジンオイルが循環しないことで、内部にスラッジが溜まり、いざエンジンをかけた際に致命的なダメージを与えることがあります。
- ガソリンの腐敗: 半年〜1年以上放置されたガソリンは酸化し、強烈な異臭を放つとともに燃料系統を詰まらせます。
これらが発生すると、本来「自走可能」として高価買取できたはずの車が「不動車」扱いとなり、レッカー費用や整備費用分が査定から大幅にマイナスされてしまいます。
2.維持費という名の「静かなる出費」
車を所有しているだけで発生するコストは、想像以上に家計を圧迫します。その一例が自動車税と保険料・駐車場代になります。
1. 自動車税の負担
毎年4月1日時点の所有者(または使用者)に課せられる自動車税。相続手続きが未完了であっても、納税通知書は届きます。排気量によりますが、普通車であれば年間数万円、古い大排気量車であれば10万円近い税金が発生します。乗る予定がない車にこの税金を払い続けるのは、資産の垂れ流しでしかありません。
2. 保険料と駐車場代
任意保険を解約せずに放置していれば、その分だけ保険料がかかります。また、都心部であれば月々の駐車場代も馬鹿になりません。これらを合計すると、年間で20万円〜50万円以上の維持費がかかっているケースも少なくありません。
3.相続手続きの壁(一般的知識として)
※ここでは、法律の専門家ではない買取店としての一般的な知識を解説します。詳細な登記手続きや法的判断については、必ず弁護士や司法書士の方にご相談ください。
自動車は「登録資産」であり、名義人が亡くなった瞬間から、その車は「相続人全員の共有財産」となります。勝手に売却したり、廃車にしたりすることはできません。
1. 普通自動車と軽自動車の違い
普通自動車: 資産としての性質が強く、名義変更には「遺産分割協議書」が必要になるのが一般的です。相続人全員の署名・捺印が求められるため、親族間の協力が不可欠です。
軽自動車: 比較的簡易的な手続きで名義変更が可能です。遺産分割協議書までは求められないケースが多いですが、それでも戸籍謄本などの証明書類は必要です。
2. 査定額100万円以下の特例
普通車であっても、査定額が100万円以下であることを証明する書類(査定証など)があれば、「遺産分割協議成立申立書」という比較的簡略化された書類で手続きが進められる場合があります。私たち買取店が作成する査定証が、この手続きをスムーズにする鍵となります。
4.買取店が教える「賢い売却」のステップ
相続車両を売却する際、多くの人が「まず自分の名義に変えてから、それから店を探そう」と考えます。しかし、これは二度手間で、コストも余計にかかります。
最短ルートは「相続と同時に売却」
多くの買取店(特に大手)では、相続による名義変更と、買取店への移転登録を同時に行うスキームを持っています。
- 一括査定・個別査定を受ける: まずは現状の価値を把握します。
- 必要書類をプロに確認する: 買取店は「どの書類が何通必要か」を熟知しています。自分で陸運局に何度も足を運ぶ必要はありません。
- ワンストップで完了: 買取店に車を渡すと同時に、相続関係の書類一式を提出すれば、あとは店側で法的な手続きを代行(またはサポート)してくれます。
揃えておくべき基本書類(チェックリスト)
手続きを迅速に進めるために、以下の書類の有無を早めに確認しましょう。
- 自動車検査証(車検証): 原本が必要です。
- 被相続人の除籍謄本: 亡くなった事実と、相続関係を確認するために必要です。
- 相続人全員の戸籍謄本: 相続人が誰であるかを確定させます。
- 相続人の印鑑証明書: 発行から3ヶ月以内などの制限があるため、取得タイミングに注意です。
- 実印: 遺産分割協議書への捺印に必要です。
5.放置が招く「親族トラブル」の火種
買取店として最も心を痛めるのが、車の取り扱いを巡る親族間のトラブルです。
「兄が勝手に乗っているが、税金の請求は実家に届く」「誰が修理費を出すのか決まっていないうちに、車が動かなくなった」といった相談が絶えません。
車は「価値が減る資産」であるため、価値があるうちに現金化し、その現金を遺産分割の対象にする(換価分割)のが、最も公平でトラブルが少ない方法であると、多くの現場を見てきた立場からアドバイスさせていただきます。
最後に:故人の愛車を「生きた資産」にするために
自動車は、亡くなった方が家族との思い出を刻んできた大切な空間でもあります。その車が、放置されて埃を被り、動かなくなっていく姿は、決して故人も望んでいないはずです。
「まだ早いかな」と思う時期こそが、実は最高の売り時です。
市場価値が高いうちに売却し、得られた資金を法要の費用に充てたり、家族で故人を偲ぶための資金にしたりすることこそ、愛車に対する最高の供養ではないでしょうか。
まずは、お近くの信頼できる買取店に「相続の相談をしたい」と電話を一本入れることから始めてみてください。プロの査定士は、単に金額を出すだけでなく、あなたの複雑な手続きの不安に寄り添うパートナーになれるはずです。
相続された中古車の買取ならカーズネットへお気軽にご相談ください

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このコラムを書いた人
株式会社カーズネットの中の人:Kちゃん株式会社カーズネット WEBマーケティング部主任
30年近くの輸入車業界に精通し、輸入車マニアが高じてカーズネットのWEB担当に。
子どもの頃からの車好き!1990年~2010年代のポルシェやベンツが大好き。空冷やNAのポルシェは特に大好物。
アメ車も少し知ってたりします。
